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門司港生活 第3話
この街には関門海峡と言う本州と九州の間に流れる川のよ
うなものがあります。
幼い頃から当たり前のような景色であり、特別なものでは
無かった。
1991年 川崎市多摩区中ノ島
幼い頃見ていた景色に似た多摩川を毎日見て過ごしていた
頃、愛する人によく門司港の話をした。
海岸にはおしゃれな建物は今のように建ち並ぶこともなく
灰色の作業着のおじさん達がくわえ煙草で不精髭をなでな
がら歩いている姿があったり、貨物列車の間に隠れて仲間
と他愛もない話で盛り上がったりした事・・・
レトロ地区に居た「ふな虫」は何処に行ったのだろうか?
造られた景色の中愛する人に話した景色はもうない・・・
この川を越える者達に今の景色を残せるだろうか?
関門海峡
俺の家の側を川が流れている
ずっと昔に汚れちまった川が・・・
生まれた時からずっと俺はここにいたのさ
橋の向こうを眺めながら
つき合った女やガキの頃からのダチと
思い出し切れない程の日々を過ごした
そして、仲間達は皆この川を渡って
一人一人居なくなった・・・
他の場所にパラダイスを求めて
消えてった
ボトルの底に残ったウイスキーを
全て飲み干し川面に投げ込む
揺れ動く光と陰
「さよなら」を呟いて
今夜、俺もこの川を渡る
他の場所にパラダイスを求めて
帰る場所の無い人生を始める・・・
「大丈夫さ・・・きっと見つかるさ」
全世界に住む「門司港スタイル」卒業された方々に捧ぐ
word by 邂逅
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