「今までとまた感覚が違うんですよね。今までやっぱり例えば業界の人とか、なんか、生地屋さんひとつにしかり、縫製工場さんしかり、なんかその、やっぱり、金銭で、いやその中には、親しいからやってくれるとかある、やっぱり、お金で最終的には解決されたりとか、いうのもあるんだけど、今回はまったく違う感じって言うか、最初からみんなボランティアで動いてくれたりとか、まあ自分も含め、門司港でなんかやりたいっていうことで、だから実感が、なんか夢のような実感ていうか、いままでは「終わった」みたいな、いまはなんか門司港駅とか通っても、ほんとにここでやったのかな?っていう、なんかその、記憶みたいな、感覚はあると思う。だから多分 十年後とかにもっとじわっとくるような、感じだと思う」
てごたえとしては?
「奇跡だと思う。それはなんか作品がすごいとか今回最初から意識してなかったし、やっぱりなんか一般の人と、近づこうという、かといってレトロな街だからよくポスターとかにもありがちなレトロな、感じの服で出すつもりもなかったし、全体の、遠まわしの雰囲気ではまったんじゃないかな、ていう気がする」
スタッフはみんな、主旨に賛同したボランティアの方だったんですが、プロじゃない人とやる不安みたいなものはありませんでしたか?
「不安はなかった、ね。まったく、正直に言って。やっぱり、その、プロの人、いまプロと言われている人ももともとアマだったわけで、結局、やりたいかやりたくないかっていう気持ちが大切だから、多分いま、プロの人は、プロにおぼれてしまってる、(アマにはそれ)以上のものが出ると思う、それは多分純粋さであったりとか、多分そういうのが大切だと思うから、今回。だからプロの仕事っていうか、自分はやっぱりプロではあるけれど、そのプロを超えたもっとピュアさっていうか、そういうのをすごい大事にしたし、まわりのスタッフもやっぱり、みんな持ち場で一所懸命やってくれた、だからなんか、ある意味多分、もう2度と出せないんじゃないか、例えば門司港スタイルでどっか2回目やったとしても、逆に今回の反省とかいろいろしていくと、逆にプロっぽくなって面白くなくなったりするかもしれない。今回ほんとに、みんな心が透き通ったまま、本番まで迎えられたから。いずれ気づくんじゃないんですかね、今回の美しさに、自分も含め。
表現者としては自己満足になっちゃいけないとも思うんだけど、今回は、ある意味、そのいい意味での自己満足、スタッフとかみんなもひとりひとりの自己満足があるからこそ出来たんじゃないか、っていう気はするね。純粋にね。なんかよく遠まわしに言ってわかんないんだけど、これがチケットで値段を取ってるとかなると、また話は変わってくると思う。客入れの時に、潤滑に席つけなかったりとか、そうしたら怒るだろうし、お金払ってで、でもそれはやっぱり、趣旨が、門司港がアーティストが気軽に集える街になってほしい、ってことだから、見る側も逆に今度は、自分もなんか表現したいな、っていう感覚の人は、まあ2千人来た中で、20人くらいいたとしたら、成功なんじゃ ないかなって思う。2千人が2千人全員感動したってことは、ありえないと思う。表現者、その中で、嫌いな路線とかもあるだろうし。その中で今回「記憶」ってのがテーマだったから、ある意味永遠なキーワードはあると思うんだよね。俺が尊敬する宮崎駿さんのアニメ みたいな、どっちかって言うとその、記憶的な、誰もが心のどっかでひっかかる好きな部分というキーワードで、だから多分、スタッフも百人近く、自分のこと、みたいに動いてくれたと思うんだよね。
ファッションショー終わってすぐにインタビューとかが入ったんだけど、みんなスタッフは撤収とかすぐに入ってて、だからスタッフって、お客さんと違う夢のようなものを感じたんだと思う。多分俺も含め。衣装とかを搬出し終わってパッて門司港駅みたらもうなにも無いんだよね、椅子もなんにも。ほんと1時間もたってないのに、さっきまで1800人くらいの人が集まってて、なんか…「記憶」だなって思ったね(笑)」
カフェ形式の展示会について
「これはですね、ランドホーの石丸さんから、ヒントを得たんですけど。ヒントっていうか、やっぱ門司港スタイル自体がカフェの精神っていうか、そのカフェの精神っていうのは、気軽に、なんか自由な時間じゃないけど、使う思想なんで、僕は服を売る場所とか、今回やっぱりジュエリーアーティストの石丸さんがジュエリーを売る場所とかじゃなくて、なんていうかな、気軽にカフェ、門司港にお茶しにくる気分で来てもらってそれで例えば僕はやっぱ服のバランスにしかり製作にしかりプロだから、そこで気軽になんかカフェで知り合った仲間みたいな、ノリでお客さんの好みとか、いま展示してある中でもそこからまたいろいろ発展できるっていうか。この形で生地を変えていきたいとか、その人によって色のコンプレックスとか、そういうのを聞きながら、お客さまのための1着を作っていく、それがある意味オートクチュールの世界なんだけど、自分の中では寸法を合わしていけば着やすい、いい服が出来るとは俺は思ってないのね。サイズの中でゆとりがある部分と、くぼむ部分と、あると思うから、そういう中で、その人に合った、例えば丈とか、そういうのが見ていければいいな、って思ってるから。なんか逆に、新しい展示会になると思います。プレタポルテの値段で、オートクチュール、ではないんだけど、そっちの方法も楽しめる。自分に合ったバランスを一緒に探していきましょう、と。お茶飲みながら、みたいな」
cafeCANARIAから抜粋
インタビューby 吉山行男









全撮影 鈴木映像
キャプチャー&レタッチ mojiko.com
in "cafe kanaria"





願いの指輪
photo by mojiko.com