■うそんこピンホール一眼

 魚住耕司
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 (193号から続き)

 結局、ほぼ一年ほど使ってやっていなかったアルファ9000ボディ
 を引っ張り出し、マウントキャップのほぼ中心を見据えて(せめ
 て定規で計らんかい^^;)、焼いた針でブスッと穴をあけた「う
 そんこピンホール一眼レフ」を作ってみた。穴の大きさもいい加
 減である。

 それでキチンと写るわけがない。フレアーが舞って深淵な黒と程
 遠い薄ら暗い黒の中、中心点をやや外れた楕円形的視野の映像が
 写る、という妙ちきりんな描写をするカメラになった。おまけに、
 一本撮ったところでポラロイドのピンホールセットが届いてしま
 った。

 しかし、両方使った結果、ちゃんとした紙製のピンホールセット
 より、私には自分の作った「うそんこピンホール」の方が負け惜
 しみではなく楽しかった。

 ちゃんとしたピンホールカメラは、あれで結構大変なのである。
 まず、必ず三脚がいる。これだけでも結構めんどうくさがりの私
 には撮影意欲が萎えそうである。そして、三脚取り付け部が華奢
 なので、気をつけないとすぐに脱落するのである(もっとも、脱
 落したところで、厚紙をテープでぐるぐる巻きにした箱である。
 大した問題ではない)。加えて、露出は目分量、そして構図はカ
 ンである。ここが、一番つらかった。

 それに対して、うそんこピンホールのアルファ9000は、一応露出
 計付である。そしてファインダーを睨み据えると、辛うじてスク
 リーンに映像が写る。私は、これに高感度フィルムを入れて手持
 ちで(!チャレンジャーでしょ^^;)撮るのを自分のスタイルに
 した。

 うそんこピンホール一眼の手持ち撮りは、実に気楽である。まず、
 こんなモノでまともに写るわけがない、と自分で頭から思えるか
 ら気楽である。

 ここ一年以上、私はフィルムで撮ったことがない。最後にフィル
 ムで撮ったのは友人の開いたファッションショーのポスター用だ
 ったが、撮影しているときより撮影後の現像から上がってくるま
 での気苦労が結構こたえた。結果が分からないことで「もしどの
 コマも失敗していたら・・・」との心配が辛かったのである。

 しかし、同じボディを使いながらも「うそんこピンホール一眼」
 にすれば、撮影後のあがりが楽しみだった。駄目なのはどうせ
 カメラのできが悪いからである(そうか? 正しくはいい加減
 な作り方をした自分のせいだ^^;)。そして、このカメラのどう
 しょうもないヘボ描写さが、逆に思わぬツボに嵌ってつまらな
 い構図が面白いと思える画像に変身することもあるからである。
 もっともたまには、であるが。

 ただ、困ったことがある。このレンズ無しキャップ付の一眼レフ
 を抱えて、見えにくいファインダーを睨みすえて撮影していると、
 通りかかった人々が最初奇異な顔をし、やがて私の周りを避ける
 ようにして遠巻きになるのである。

 思えば前回の「針穴写真塾」の準備をしていたのは丁度春先、季
 節の変わり目であった。私だってそんなオッサンが目の前に現わ
 れたらキ印と判断して進路を変えて別の道を行くだろう。それで
 なくとも、街角でカメラをもっていることがあらぬ疑いを受けか
 ねない昨今である。無用な誤解を防ぐためには、もう少しちゃん
 としたカメラであった方がよいのだろうか?

 最近はレンズキャップの上にニセ鏡筒とレンズをつけようか、と
 か考えている。また、こんなうそんこ・・・ではない、ケンコー
 が販売している正式なピンホール交換レンズを買うべきか、とも
 考えている。

 しかしちゃんとしたピンホールになると、一気に平凡な描写の平
 凡なカメラになりそうな気もして、どうしたものか、とも思って
 いる。答えは第三回の針穴写真塾でもう一度ちゃんとしたピンホ
 ールカメラをもっと見てから決めよう。こんどはHOLGAの針穴化
 も試せるのだし。

 魚住耕司 <http://mojiko.com/UOZUMI/wppd2003/>

 ・HOLGAと出会ったイベント「おもちゃでアート」
 <http://www10.bird.to/~session/session_toyart/indexx.htm>

 ・殆ど二つ返事で助けてくれた隣町の大店
 <http://www.tsujiri.co.jp/>

 ・第二回の針穴写真塾関係はこちらからどうぞ
 <http://mojiko.com/UOZUMI/wppd2003/>

 ・第三回の針穴写真塾のご案内
 <http://www.art-photo.com/wppd/ws3/ws31.html>