2003年の3月19日公開 最近の私信

前回の「mojiko.comから」でも触れていた問題ですが、
イラクと米国の間はいよいよ煮つまりました。
今日の段階で、サダム フセインがゲームを下りない限り、残り一日で戦火はあがるでしょう。
そんな2003年の3月、 一人の田舎者がこんなmailを書きながら送っていました。

サダム フセインは清水宗治にはなれないだろうしそのつもりもないと思います。残念ながら・・・。

だからといって、今、むりやりにでもアメリカを止めたら、この男は「神に愛されて奇跡を与えられた英雄」
となり、全ての行為に無限の正当性を得るでしょう。
そのことが人類の将来に何をもたらすか、私はそっちの方が恐ろしいと思います。

 3/21 
ついに開戦しました・・・。
イラクは首都で市街戦をすると明言して立てこもっている様子ですが、サダム フセインという人間は
自国のの国民と手塩にかけて育てた筈の部下達についてどう思っているのでしょうか・・・。



From: "kouji uozumi" <uozumi@mxj.mesh.ne.jp>
To: <jmm-info@cogen.co.jp>
Sent: Thursday, March 06, 2003 4:50 PM
Subject: [JMM 208W]パリは燃えているか?を読みました


> [JMM 208W]パリは燃えているか?を読みました。
>
> レポートの作者は「比較という責務」と書かれています。
> 田舎の読者なりに日本とフランスを比較しながら考えてみました。
>
> 「国連憲章を中心とした国際的な法秩序の網で、覇権国家のパワーを統御できるか」
> という、この設問の前提は「国際連合=普遍的国際的法秩序」だと思います。しか
> し、これ自体、フランスの外交的特権の保持という"恣意"に基づく前提ではないで
> しょうか?
>
> 国連とは、元々第二次大戦における「連合国」が戦勝後の世界統治を維持するための
> 機関でしょう。だからこそ、ただそれだけ故に、米・英・フランス・ロシア・中国は
> 「拒否権」という国連という場で決定することを、ひいては協議すること自体を消滅
> させられる大きな特権をもっています。
> 他に、これほどの特権を加盟国のごく一部の国だけが持っていることを合理的に説明
> できる理由があるでしょうか?
>
> 一方、国連という組織はわが国及びドイツ・イタリアの旧枢軸国に対してもっている
> 「敵国条項」の規定を未だに廃止していません。その三国が加盟している等の事実上
> の動きを言われる方はおりましょうが、「国連=国際法秩序」ならば、未だに廃止し
> ない或いはできない、ということは、どういうことでしょうか?この「組織」の本質
> と限界は明らかです。
> この組織は、一部の国が歴史の歩みを永遠に止めて、王侯貴族として振舞いつづける
> ため、固陋たる旧体制を維持することが目的であり、結局はそれ以上のものにはなり
> えない、と思えます。
> (ところで、なぜソ連滅亡後「拒否権」というものをロシア一国のみが相続できるの
> でしょうか。正当な理由を誰か教えてください。そのことが果たして当然自然とみな
> してよいことなのかどうかも)
>
> ですから、「国連憲章を中心とした国際的な法秩序」のために、と一見美しい言葉が
> フランスから出たとしても、そこにはまず疑ってかかるべきではないでしょうか。
> 特権者の自己正当化のレトリックが含まれているのではないか?と。
>
> フランスがこの構図を保持しようとするは当然でしょう。しかし、それはフランスの
> 国益のためでしかないと思います。
>
> 私には、その事の良し悪しはともかく、第一次・第二次の世界大戦で常に陣営に対し
> て最大の貢献をし、陣営内に戦勝後の特権を与えたアメリカが、唯一の超大国として
> 君臨している現在、足枷となる組織(それが自ら作ったものであろうと)と特権階級
> (それがかつての戦友であろうと)を無視するようになったとしても、そのことは力
> を保有する者の思考として自然の流れだろうと思います。
> それは横暴ではないか、といえば間違いなくそうでしょう。しかし、その我侭が覇権
> というものの本質の一つではないでしょうか。
>
> 圧倒的な力の保持者が唯我独尊と暴走することを押し留める仕組みが必要であること
> は賛同します。しかし、既存の特権階級がその事を口実に特権の維持を正当化し、パ
> ワーゲームをおこなうのではしらけます。
>
> 私は、国連では「国際的な法秩序の網で、覇権国家のパワーを統御」する国際組織の
> 受け皿たりえないと思いますし、そのような秩序の作り手としてフランスが自らを推
> 挙する資格があるのかも、甚だ疑問に思います。
>
> むしろ、今回のような、隣国を軍事的に征服したり自国民に化学兵器を用いたことが
> ある独裁者をどうするかということを協議すべき時に、「国連憲章を中心とした国際
> 的な法秩序の網で、覇権国家のパワーを統御できるか」、という別の課題へ問題をす
> り替えようとしているかにすら見えるフランスの外交は、これは、寧ろ将来の国際社
> 会のあり方を模索していく上で禍根を残すのではないか、という気がします。
>

このmailは、JMMのmailnewsを読んだ感想として書き送ったものです。
当然ながら、 返事のようなものは来ませんでした。
(読んでいるかどうかすら怪しいものですし・・・)

なお、訂正ですが、イタリアには敵国条項は適用されていません。
最後になって連合国として参戦していますから・・・。



From: "kouji uozumi" <uozumi@mxj.mesh.ne.jp>
To: "伊藤 ycasterさん" <>
Sent: Friday, March 07, 2003 7:06 AM
Subject: 米国VS他の常任理事国


> **** 様
>
> 米国及び追従する英国VS他の常任理事国という国連内部の対立
> で国際連合が機能不全の陥ることは、時の自然な動きだと思います。
> 一部の国が王侯貴族として振舞いつづけるための固陋たる旧体制が
> 維持できなくなり、ようやく時計の針が進みだしただけではないでしょうか。
>
> フランス・ロシア・中華人民共和国の三カ国は、「拒否権」という特権を
> 維持したいだけでしょう。しかし、今日この三カ国とアメリカ・イギリスの
> 五カ国だけがそのような特権をもつことに何の合理性があるでしょうか?
> 特にソ連の特権をロシアが相続したことに・・・。
>
> 国際社会の変質に対応してこなかった「国連」という戦勝国統治機構
> が国際政治のダイナミックかつ自然な動きの中無効化していくことは、
> それ自体は当然のことだと思います。
> 特に、日本にとっては本質的には自国を貶めている国際社会の仕組み
> が名実共に崩れるのですから、目くじらたてることではない、と思います。
> この国は、どれだけ努力しても、国連という仕組みの中では、所詮は
> 「要監視の犯罪国(敵国)」と規定されつづけているのですから。
>
> と、思い切りの危険思想を最近吹きまくって顰蹙を買っていますが、
>
以下略

これは私信です。こちらのサイトのオーナーさんへ書き送ったものです。
因みに、国連憲章では常任理事国として「中華民国」と明記しているそうです。
「中華人民共和国」がなぜ拒否権をもつ特権国なのか、これも誰か説明してほしいところです。



From: "kouji uozumi" <uozumi@mxj.mesh.ne.jp>
To: "" <>
Sent: Monday, March 10, 2003 12:27 PM
Subject: Re: ランドです


> 魚住です。
>
> 結論を先に言えば、NONです。
> この手の話は、我々にはかかわりの無いことです。
> そう思いますので、ブルーリボンすらはろうとは主張しませんでした。
>
> それともう一つ、この手の「運動」をする人々、私は信じていません。
>
> 一つの例ですが、
> インパクが終わる時、「インパク参加者OBのMLをつくりましょう」
> というmailを貰い、一応参加しております。
> ところが、その呼びかけ人が、先日より自分でML上で反戦運動
> を呼びかけ、自分で会の行動だと規定して、反米反戦運動をして
> いる様です。
> 多分、「インパク何とか会主催者」の肩書きをフルに利用している
> ことでしょうし、行動した人数として、MLの参加者人数を使っても
> いることでしょう。
>
> この手の「運動」をしている方々の、それが手口です。
>
> その手の手合いに係わり合いになるつもりはありませんし、その
> 手の方々の「正義」も「善意」も、私はカケラも信用していません。
> そのあたりは、前回の「mojiko.comから」で書いております。
>
> パクスアメリカーナには問題が多々ありますが、だからといって
> 自国民に毒ガスを使ったりするフセインの友達だと手をあげる気
> はありません。また、彼に原子炉を売っていたフランスが、自らの
> 歴史を都合よく称揚して正義を言うなど、笑止以外の何者でもない、
> と思います。
>
> それこそ、「新しい欧州」諸国はフランスによってナチドイツに売り
> 払われ、共産陣営に捨て置かれた地獄の一世紀を味わってきた
> のですから・・・。西欧列強の、彼らの言う妥協の必要性だのは、
> 常に他国他人の犠牲の上に自国が損をしないための方便です。
> アメリカの言う「欧州は酒場の主。マフィアとも仲良くやって常識人
> の顔をして甘い汁を吸えるのは、アメリカが保安官として狙われな
> がらも対抗しているからだ」というのは、けっして僻みではなくて、
> 正鵠を得た現状の冷静な分析でしょう。
>
> ついでにもう一つ言えば、ロシア・人民共和国・フランスの三国は、
> 「連合国統治機構」という国際機関による世界支配、「拒否権の
> 保有国」という昔々の特権を未来永劫保有したいだけでしょう。
> しかし、この三カ国に米英だけが、世界のことを決める時に特権
> をもつというのは、今日大変歪んだ構図です。
> (第一、なぜこの中に「ロシア」がいるのでしょう?ソ連の特権を、
> 何を根拠にロシアが相続するのでしょうか?)
>
> この歪んだ枠組みがある限り、日本は「要監視の犯罪国」という
> 構図の中から出ることができません。そして、口でいかに言おう
> と、国連にはこの構図を変える意思の無いことは、「敵国条項」
> の規定をついに廃止していないことで明らかです。
> 日本としては、この動乱は不健全な国際機関を廃止或いは大幅
> に変革できるチャンスと思うべきでしょう。
>
> 事は、「戦争」か「平和」かの抽象的な選択ではありません。
> 同盟する相手はアメリカか、フセインか、です。
> パクスアメリカーナか、フセインか、という二者択一なら、私は迷う
> ことなくパクスアメリカーナを選びます。
> 自国民に対する殺戮と恐怖の上に一代の独裁をするフセインより、
> 「再びシーザーの支配に屈することなき国」をつくるために心血を
> 絞ったかの国の建国の父たちの残した仕掛けを信じますし、事あ
> らば「シーザーよりローマを愛する」と自分の胸に向かって火を噴く
> であろう二億五千万丁の銃を意識せざるを得ないブッシュJrの方を
> 信じます。
>

これは、「門司港スタイル」のページに反戦運動関係のバナーを貼るかどうか、
スタッフの一人から問い合わせがあったことに対する私の回答です。



結局、今回のことでは「国連」という国際組織がその本質的な限界を露呈した、と思います。
でも、それが悪いこととはいえないのではないでしょうか。

フランスは最悪のタイミングで話を摩り替えようとして、最悪の結果を招いた気がします。
巨人に「列強」としての自分の地位を確認させようとして、逆に巨人を孤独に苛ませてテーブル自体を叩き割られてしまいました。

おかげで安保理という意思決定機関が、本質的に今となっては何の根拠もない特権階級の
倶楽部に過ぎないということと、所詮は小奇麗な言葉で飾ろうと特権国同士のエゴがぶつかれ
ば何も決定できないところである、ということが白日の下にさらされました。

陣営対立が無くなろうと、国際社会とは自国民の生命・財産を背負い国益を追求する主権国家の集まり
なのですから、自然に対立が生まれるし、民主主義的多数決で決定するといっても権威は限られています。
しかし、本来国際社会とはそういったものでしょう。
国連で諮るということに、日本人がある種安易な万能幻想をもっていただけです。
「国連」=「国際社会」ではないのです。